ずっと読みたかった「ハラスのいた日々」がやっと手に入り、読みました。
《新田次郎文学賞》に輝くと 裏表紙に書いてあったので、少し硬いかな?と思いましたが、なんのなんの…
ハラスの写真が盛り沢山!
単なる愛犬家の思い出本じゃないの?
って感じで読み始めました。
けれど、さすが文学者の書いた本。
挿入文や、引用された俳句など、グイグイ引きこまれ、一気に読み終わってしまいました。
なかでも、ハイライトかな? ハラスが失踪した事件は、五郎のそれと重なりまざまざと記憶が甦りました。
本当に、よくぞ書いて下さった!
全く同じ気持ち。 失踪事件以外でも ウンウンと再認識する箇所ばっかり。
また、ハラスの写真がどれも 五郎にソックリ…。
家族に言うと、柴飼ってる人は皆 ウチのと似てるっていうんじゃないのって言うけど、、、
そうかな?それにしても、ウリふたつ。
笑っちゃったのは、失踪事件の時に配ったチラシでの ハラスの特徴説明文。
「ほっそりした純血種。姿良く。性格は温和。」
学者さんだって、親バカなのね~。
単なる、散歩用にと軽い気持ちで飼い始めた犬が、
「私の半生において愛という感情をこれほどまでに無拘束に全面的に注いだ相手はいない…」
とまで書かせてしまったハラス。
あらためて、犬ってスゴイのねって思ってしまった。(アキレテシマッタ)
読んでいて想像してしまう。
やがて来るであろう 五郎の老いと 迎えるサイゴ。
ず~っとず~っと 先の話だわ。って思い込むようにして でもいつかは来るのね。。。